present

□BLUE×BLUE
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「なぁ…綱吉…。」

俺の隣に座っている初代が思いつめたような顔でいきなり問いかけてくるから、俺は「何?」と答えた。

すると彼は真顔でいきなり爆弾発言を問いかけた。



「…アオカンって知ってるか?」








BLUE×BLUE










のどかな昼下がり、俺と初代はなぜか公園の青いベンチの上にぼーっと座っていた。
「おい、ちょっと待て。」とツッコミ気質な人なら言うだろう。

「なぜ、初代がお前の隣にいるんだ」と。



そんなの俺が聞きたいくらいだ。


なんだ、時空間旅行か。それとも骸の作った幻覚か。はたまた夏の暑さにやられて俺が勝手に作りだした妄想か。



じんわりと汗を感じる中で俺は精一杯隣に座る初代の存在について思考を巡らせていた。



「綱吉、暑いな。イタリアも相当暑いがここも負けず劣らず暑いぞ。ここは本当に日本なのか。」

そういって初代はけだるそうに棒アイスを舐めていた。ちなみにその棒アイスは俺がねだる初代に買ってやったものだ。


「そうですねー。まあ、21世紀ですから。地球温暖化中なんですよ。」

俺はパタパタと手で煽ぎながら暑さをしのごうとした。ちなみにと言っては何だが、俺は自分の分のアイスを買っていない。
初代の分で金が尽きたのだ。

俺は少し恨めしそうにアイスを食べてる初代の初代の顔を見ていると、彼は俺の疎ましい視線に気づいたのかこっちを向いた。

「なんだ。綱吉。アイスが食べたいのか」

「別に…いいですよ。初代、食べたかったんでしょ?」
俺はいいですから。

そういって俺は丁重にお断りをすると、なぜか初代はニヤリと悪だくみをしたように笑った。


「じゃあ、綱吉には違うアイスを食べさせてやらんとな。」


そういった初代の言葉を俺はなかなか理解できずにいた。




そして彼がアイスを食べ終わると、なぜか二人の間には沈黙が流れた。



(き、気まずい…。)



俺はなぜか考え込むようにして口元に手を遣っている初代の顔をちらりと見つつ、この沈黙を打開する方法を捜した。

だがそんな方法など見つかるはずもなく俺は仕方なく、ふうと息をついてぼんやりと時を過ごしていた。

するとそんな俺の平凡な静寂を打ち破るような発言が突如なされたのだ。


それが冒頭の「アオカンって知ってるか」だ。





俺は思わず咽て、げほげほ言いながら、気持ちを抑えようとしたが初代はどこ吹く風のようなものであっけらかんと俺を見ている。

それに少しイラっとした俺はちょっと声を荒げて初代に言った。


「何、急に言うんですか!」


俺は顔を真っ赤にさせながらそう言ったので怒っているといってもなんの効果も与えないような顔だったと思う。
だから初代はただニコニコと俺の言うことを聞いていた。

「いや、綱吉はそういうこと知ってるのかなと思ってな。その様子じゃ知ってるようだな」

ニヤニヤと笑いながら初代はゆっくりと俺に近付く。
俺は嫌な予感がしたのでちょっとだけ体を後ろにずらした。だがすぐに初代によって腰を掴まれてしまったので俺と初代の間の距離はすぐに縮まってしまった。


「ちょッ…、初代…?な、なにするつもり、なんでしょう、か?」


俺はしどろもどろになりながらやけに敬語を使って初代に尋ねたところ、彼はにこーっと笑ったあとこういった。


「ん?アオカンしようかなあって思って。」


……。


「…誰が、」

「俺が。」

「誰と。」

「綱吉と。」
当たり前だろ?


初代はそう言って俺をベンチの上に押し倒した。








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